債権者(住宅金融支援機構、銀行等)に対して、「返済ができないので物件を売却する」という意思表示と、「この不動産業者に仲介を依頼する」との通知をします。
一般的には業者の印鑑が必要です。また、複数の業者を指名することは原則できません。
任意売却の流れ Flow
任意売却の流れについて flow
1.任意売却に関する申出書の提出
2.物件の調査・価格査定
物件の流通価格を調べて、査定書を提出します。一般に任意売却の場合は、物件の引き渡し後に問題(雨漏り等)が発生しても責任を負わないという条件を付けて売却するので、価格は通常の査定より低くなります。
3.売出価格の決定
提出された査定書を基に、債権者が売出価格を決定します。価格を売主以外の者が決めるなんておかしな話ですが、債権者が納得しなければ売却できませんので仕方ありません。
4.媒介契約の締結
債権者が決めた売出価格で媒介契約を締結します。住宅金融支援機構の場合は、専属専任もしくは専任媒介契約の締結を要求されます。
5.販売活動
不動産業者専用のデータベースに登録し、販売活動を行います。
一般に不動産業者は、売主と媒介契約を締結すると買主からも仲介手数料をもらう「両手」という取引を狙います。当然です、手数料が倍になるのですから。だから他の業者から問い合わせが来ることを快く思いません。しかし当社は「両手」を欲張りません。物件の地元業者や大手に営業をかけて、「ぜひおねがいします」という態度で販売活動を行います。
また3ヶ月で物件が売却できない場合は、価格の見直しを行う場合もあります。
6.抵当権抹消応諾の審査
売買代金の配分案を債権者に提出し、売買金額及びその配分について債権者の許可をもらいます。債権者としては物件がいくらで売れて、その内取り分がいくらかということが重要です。この段階で売主の費用(引越費用、転居先の入居費用)をどれだけ認めてもらうかが、いかにうまく次の生活を始められるかに大きく影響します。
7.売買契約の締結
債権者の合意を得られれば、売買契約を締結します。ただ、任意売却の場合は決済時に契約を締結することも多々見られます。これは手付金の授受を行わないケースがほとんどだからです。
8.代金決済・抵当権抹消
買主が資金調達する金融機関で、代金の決済、所有権移転及び抵当権抹消登記に必要な書類の授受を行います。債権者は売買金額とその配分をチェックします。もし申告した費用が過大だった場合、債権者は抵当権の抹消に応じず、取引は流れてしまうでしょう。ただしそんな経験は一度もありませんが・・・。